逆止弁(チャッキバルブ・チャッキ弁)は、流体を一方向にだけ流し、逆向きの流れ(逆流)を止めるためのバルブです。交換や新設のときに迷いやすいのが、「スイング式とリフト式のどちらを選ぶか」「縦配管に付けられるか」の2点です。
この記事では、設備担当者・施工業者の方向けに、スイング式とリフト式の違い、取り付けられる向き(縦配管・横配管)、取付の注意、最高許容圧力と面間を、メーカーのカタログをもとにまとめました。当店で扱っている KITZ UO・東洋バルヴ UNS-N(ステンレス・ねじ込み形)、KITZ 10FCO(鋳鉄・JIS 10K フランジ形)の型番一覧も載せています。
この記事の要点
- スイング式は弁体(ジスク)がヒンジピンを支点に振れて開閉し、リフト式は弁体が上下に動いて開閉します
- 取り付けられる向きが違います。メーカーのカタログでは、スイング式は垂直・水平いずれの配管にも使え、リフト式は水平配管で弁の姿勢を垂直にして取り付けるとされています
- 縦配管にスイング式を付けるときは、カタログの図では流れが下から上の向きです
- 当店の逆止弁(KITZ UO・東洋バルヴ UNS-N・KITZ 10FCO)は、いずれもスイング式です。蒸気で使える最高許容圧力は、UNS-N が180℃以下で1.0MPa、10FCO が飽和蒸気で0.7MPaです
逆止弁(スイング式):KITZ 10FCO
鋳鉄・JIS 10K フランジ形 40A〜150A/サイズを選んで商品ページへ
10FCO-40A 10FCO-50A 10FCO-65A 10FCO-80A 10FCO-100A 10FCO-125A 10FCO-150A
逆止弁(チャッキバルブ)とは
逆止弁は、流れの力で弁体が押し開けられ、流れが止まったり逆向きに流れようとしたりすると弁体が閉じて、逆流を止めるバルブです。ポンプの吐出側など、流れを一方向に保ちたい場所に使われます。
メーカーによって呼び方が違い、カタログでは KITZ が「スイングチャッキバルブ」「スイング逆止め弁」、東洋バルヴが「スイングチェッキバルブ」と表記しています。「チャッキ」「チェッキ」「逆止め弁」は、いずれも英語の check valve(逆止弁)を指す呼び方です。
スイング式とリフト式の違い

| 項目 | スイング式 | リフト式 |
|---|---|---|
| 弁体の動き | 弁体(ジスク)がヒンジピンを支点に振れて開閉する | 弁体が上下に動いて開閉する |
| 水平配管 | 取り付けられる | 取り付けられる(弁の姿勢を垂直にする) |
| 垂直配管(縦配管) | 取り付けられる(カタログの図では流れが下から上) | 取り付けない |
| 当店の取扱い | KITZ UO・東洋バルヴ UNS-N・KITZ 10FCO | 掲載なし(お問い合わせください) |
取り付けられる向きは、桑名金属工業のマレブルバルブカタログ「正しくお使いいただくために」に、「リフト式逆止め弁は水平配管で弁姿勢を垂直に取付けのこと」「スイング逆止め弁は垂直、水平配管いずれにも使用できます」と図付きで書かれています。あわせて「逆止め弁、ストレーナなどでは取り付け姿勢を指定したものがあるので、指定どおりに取り付けること」とされていますので、実際の製品ではメーカーの取扱説明書もご確認ください。
スイング式の構造(当店の型式)
KITZ UO・東洋バルヴ UNS-N の部品表には、ボデー・キャップ・ジスク・ヒンジピン・プラグが並んでいます。KITZ 10FCO(フランジ形)では、弁体がアームを介してヒンジピンに取り付けられています。いずれも、弁体がヒンジピンを支点に振れて開閉するスイング式です。
縦配管に逆止弁を付けるときは
- スイング式:垂直配管にも使えます。カタログの図では、垂直配管は流れが下から上に向かう向きで「良い」とされています
- リフト式:水平配管で、弁の姿勢を垂直にして取り付けます。カタログの図では、垂直配管への取付は「悪い」とされています
流れが上から下に向かう縦配管や、取付姿勢が判断しにくい場合は、型式・呼び径・流体・取付の向きをお知らせください。メーカーの資料で確認します。
取り付けるときの注意
桑名金属工業のカタログ「正しくお使いいただくために」から、逆止弁の取付に関係する主な注意をまとめます。
- 玉形弁や逆止め弁など、弁箱に流れ方向の矢印があるバルブは、流体の流れ方向と矢印を一致させて取り付けます
- 配管内の溶接スパッタ、パイプの切りくず、スケール、砂利などの異物はシートの漏れ事故の原因になるため、取付前に清掃します
- ねじ込み形は、ねじ部にシール剤を塗りすぎないようにし、レンチは弁箱両端の六角部にかけてねじ込みます
- フランジ形は、フランジ面・ガスケット面に傷や異物がないことを確認し、ガスケットが口径内にはみ出さないよう均一に締め付けます
- スイング逆止め弁には、弁体固定用の詰め物が弁内部に入っている場合があるので、配管する前に取り除きます
当店で扱っている逆止弁の比較
| 型式 | 本体材質 | 接続 | 呼び径 | 最高許容圧力(カタログ) |
|---|---|---|---|---|
| KITZ UO 10K スイングチャッキバルブ |
ステンレス(A351 Gr. CF8/SCS13A) | ねじ込み形 | 15A〜50A | 10K(当店で確認できたカタログ頁にMPaの記載なし) |
| 東洋バルヴ UNS-N クラス10K ねじ込み形スイングチェッキバルブ |
ステンレス(SCS13A) | ねじ込み形 | 15A〜50A | 120℃以下の静流水 1.4MPa 脈動水 1.0MPa 180℃以下の蒸気・空気・ガス・油 1.0MPa |
| KITZ 10FCO JIS 10K フランジ形スイング逆止め弁 |
鋳鉄(FC200)・要部 CAC406 | JIS 10K フランジ形 | 40A〜150A | 120℃以下の静流水 1.4MPa 120℃以下の油・脈動水・空気 1.0MPa 飽和蒸気 0.7MPa 120℃以下のガス 0.2MPa |
UNS-N のガスは毒性ガス・可燃性ガスを除き、10FCO のガスは可燃性・毒性以外のガスです。10FCO の呼び径40Aは、カタログ上 JIS 規格外品です。
蒸気配管で使う場合
蒸気で使う場合は、カタログに蒸気の最高許容圧力が書かれている型式を選びます。当店の掲載品では、東洋バルヴ UNS-N(180℃以下の蒸気で1.0MPa)とKITZ 10FCO(飽和蒸気で0.7MPa)です。KITZ UO は、当店で確認できたカタログ頁に蒸気の条件が書かれていないため、蒸気で使う場合はお問い合わせください。蒸気配管に使うほかのバルブは蒸気用バルブの種類と選び方の記事、マレブルバルブ(蒸気配管の止め弁)の記事で紹介しています。
型番と寸法(面間 L・高さ H)
寸法は各メーカーのカタログの値です。KITZ UO と東洋バルヴ UNS-N は、同じ呼び径なら面間・高さが同じ値です。
KITZ UO(ステンレス・10K ねじ込み形)
| 型番 | 面間 L | 高さ H |
|---|---|---|
| UO-15A | 65mm | 45mm |
| UO-20A | 80mm | 55mm |
| UO-25A | 90mm | 61mm |
| UO-32A | 105mm | 71mm |
| UO-40A | 120mm | 72mm |
| UO-50A | 140mm | 81mm |
東洋バルヴ UNS-N(ステンレス・クラス10K ねじ込み形)
| 型番 | 面間 L | 高さ H |
|---|---|---|
| UNS-N-15A | 65mm | 45mm |
| UNS-N-20A | 80mm | 55mm |
| UNS-N-25A | 90mm | 61mm |
| UNS-N-32A | 105mm | 71mm |
| UNS-N-40A | 120mm | 72mm |
| UNS-N-50A | 140mm | 81mm |
KITZ 10FCO(鋳鉄・JIS 10K フランジ形)
| 型番 | 面間 L | 高さ H |
|---|---|---|
| 10FCO-40A | 190mm | 108mm |
| 10FCO-50A | 200mm | 113mm |
| 10FCO-65A | 220mm | 123mm |
| 10FCO-80A | 240mm | 145mm |
| 10FCO-100A | 290mm | 165mm |
| 10FCO-125A | 360mm | 207mm |
| 10FCO-150A | 410mm | 225mm |
型番をクリックすると各サイズの商品ページへ移動します。掲載のない型式・サイズ(リフト式、フランジ形のステンレス、青銅製など)は、お問い合わせください。
よくある質問
Q. スイング式とリフト式は、どちらを選べばよいですか?
A. まず取り付ける配管の向きで考えます。縦配管ならスイング式(流れが下から上)、水平配管ならどちらも使えます(リフト式は弁の姿勢を垂直に)。そのうえで、流体・圧力・温度に合う最高許容圧力の型式を選びます。
Q. 縦配管にリフトチャッキは付けられますか?
A. 桑名金属工業のカタログでは、リフト式逆止め弁は水平配管で弁の姿勢を垂直にして取り付けるとされ、垂直配管への取付は図で「悪い」とされています。縦配管にはスイング式をご検討ください。
Q. チャッキ、チェッキ、逆止め弁は違うものですか?
A. いずれも逆止弁(check valve)のことで、メーカーによって表記が違います。KITZ は「チャッキバルブ」「逆止め弁」、東洋バルヴは「チェッキバルブ」と表記しています。
Q. 既設の逆止弁と同じものを探すには?
A. 本体の表示で型式と呼び径を確認し、面間(L)と接続(ねじ込み形/フランジ形の規格)を合わせます。KITZ UO と東洋バルヴ UNS-N は、同じ呼び径なら面間が同じです。分からない場合は、写真や寸法をお知らせいただければお調べします。
この記事で紹介した商品
- KITZ UO(ステンレス・10K ねじ込み形スイングチャッキバルブ):UO-15A・UO-20A・UO-25A・UO-32A・UO-40A・UO-50A
- 東洋バルヴ UNS-N(ステンレス・クラス10K ねじ込み形スイングチェッキバルブ):UNS-N-15A・UNS-N-20A・UNS-N-25A・UNS-N-32A・UNS-N-40A・UNS-N-50A
- KITZ 10FCO(鋳鉄・JIS 10K フランジ形スイング逆止め弁):10FCO-40A・10FCO-50A・10FCO-65A・10FCO-80A・10FCO-100A・10FCO-125A・10FCO-150A
逆止弁(チャッキ弁)の商品一覧もご覧ください。
型番・在庫・納期のご相談
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読んだあとは、商品選びへ。
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