TLV A3Nは、TLV(テイエルブイ)のディスク式スチームトラップ「ThermoDyne(サーモダイン)」シリーズのねじ込み形です。呼び径は15A・20A・25A・32A・40A・50Aの6サイズで、最高使用圧力1.6MPaG・最高使用温度220℃。蒸気主管やトレース配管のドレン排出に広く使われている型式です。
この記事では、型番「A3N」で交換品や仕様をお探しの方向けに、TLV A3Nの仕様・サイズ別の面間(L寸法)・選定と取り付けの注意点を、メーカーカタログの数値をもとに一覧にまとめました。
TLV A3Nとは?特長と用途
A3Nは、ディスク(円板)の上下に生じる圧力差を利用して開閉する、ディスク式(サーモダイナミック式)のスチームトラップです。TLVのカタログでは、次の3点が特長として挙げられています。
- 蒸気加熱復水冷却式の二重蓋構造:確実な作動により、蒸気ロスを減らします。
- バイメタル式の自動ブローオフ機構を内蔵:立ち上げ時の空気や低温のドレンを排出し、スタートアップ時間を短くします。
- 弁・弁座などの摩耗部品はユニットで交換可能:摩耗した部品をまとめて交換できます。
用途は「温度コントロールを必要としない一般的な用途」で、カタログには蒸気主管・高温トレース・保温(ジャケット)・保温用タンクヒーティングなどが例示されています。反応釜やユニットヒーターなど、蒸気で加熱する装置のドレン排出用には、TLVではフリーフロート式のTLV J3Xなどが用意されています。
TLV A3Nの仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 形式 | ディスク式(サーモダイナミック式) |
| 接続 | ねじ込み Rc(PT) |
| 呼び径 | 15A・20A・25A・32A・40A・50A |
| 本体材質 | 15A〜25A:ダクタイル鋳鉄 FCD450 32A〜50A:ねずみ鋳鉄 FC250 |
| 最高使用圧力(PMO) | 1.6MPaG |
| 最低使用圧力 | 0.03MPaG |
| 最高使用温度(TMO) | 220℃ |
| 使用可能流体 | 蒸気 |
| スクリーン | φ1穴ピッチ1.5千鳥配列打ち抜き板(目の大きさは18メッシュ相当) |
※最高許容圧力(PMA)1.6MPaG・最高許容温度(TMA)220℃は本体が耐えられる値で、使用条件の上限は上の最高使用圧力・最高使用温度です。
A3Nのサイズ別 面間・寸法一覧(15A〜50A)
交換の際にいちばん大切なのが面間(L寸法)です。同じA3Nでも、25A(L=112mm)と32A(L=175mm)の間で寸法が大きく変わり、本体材質もFCD450からFC250に変わります。
| 型番・面間 | 高さ H(約) | 対辺 W | 質量 | 本体材質 |
|---|---|---|---|---|
| A3N-15A L=98mm |
125mm | 71mm | 1.5kg | FCD450 |
| A3N-20A L=104mm |
125mm | 71mm | 1.6kg | FCD450 |
| A3N-25A L=112mm |
135mm | 71mm | 1.8kg | FCD450 |
| A3N-32A L=175mm |
194mm | 104mm | 7.2kg | FC250 |
| A3N-40A L=180mm |
193mm | 104mm | 7.4kg | FC250 |
| A3N-50A L=195mm |
208mm | 104mm | 8.8kg | FC250 |
型番をクリックすると各サイズの商品ページへ移動します。寸法はTLVのカタログ(ねじ込み/Rc(PT))によります。
選定と取り付けのポイント
作動圧力差と安全率
カタログの排水能力は「作動圧力差(トラップの入口と出口の圧力差)」で示されています。選定の際は2倍以上の安全率をとるよう指定されています。また、出口側の背圧は入口側圧力の50%以内で使用します。ドレンを高い位置へ回収する配管などで背圧が高くなる場合は、型式の選び方から見直しが必要です。
排水能力は「15A〜25A」と「32A〜50A」の2段階
カタログの排水能力グラフは、呼び径15〜25と32〜50の2本に分かれています。同じグループの中では排水能力は同じため、呼び径は「配管のサイズに合わせる」のが基本です。ドレン量が多く能力が足りるか不安な場合は、ドレン量と圧力をお知らせいただければ確認します。
今付いているA3Nと交換する場合
- 同じ型式・同じ呼び径なら、面間も同じなので配管を加工せずに交換できます。
- フランジ接続の配管には、フランジ形のTLV AF3N(JIS 10K FF、面間は15Aで175mm)を選びます。A3NとAF3Nは面間が異なるため、接続方式を変える場合は配管の改造が必要です。
- 本体には流れ方向の矢印があります。矢印をドレンの流れ方向に合わせて取り付けてください。取付姿勢は、製品付属の取扱説明書の指定に従います。
- 交換の手順(縁切り・圧抜き・取り外し・試運転)は「スチームトラップの交換方法と取り付け手順」で図解しています。
オプション(標準以外の仕様)
カタログには、スクリーンホルダーに取り付けるブローダウンバルブ(BD2)・凍結防止弁(NF6)・ドレンプラグ、NPTねじなどのオプションが掲載されています。標準以外の仕様は価格・納期が異なりますので、お問い合わせください。
よくある質問
Q. A3N-15Aの面間は何mmですか?
A. 面間はL=98mmです。20AはL=104mm、25AはL=112mm、32AはL=175mm、40AはL=180mm、50AはL=195mmです。
Q. A3NとAF3Nの違いは何ですか?
A. A3Nはねじ込み形(Rc(PT))、AF3Nはフランジ形(JIS 10K FFなど)です。作動の仕組みや最高使用圧力1.6MPaG・最高使用温度220℃は同じですが、面間と本体材質が異なります(AF3Nは全サイズFC250)。
Q. 蒸気以外の流体に使えますか?
A. カタログの使用可能流体は「蒸気」です。圧縮空気のドレン排出などには、空気用のドレントラップを選んでください。
Q. 在庫や納期、まとめて購入する場合の見積もりは?
A. お電話(0545-61-5948)またはお問い合わせ・お見積もりフォームから、型番・サイズ・数量をお知らせください。
この記事で紹介した商品
- TLV A3N-15A(ねじ込み形・面間98mm)
- TLV A3N-20A(ねじ込み形・面間104mm)
- TLV A3N-25A(ねじ込み形・面間112mm)
- TLV A3N-32A(ねじ込み形・面間175mm)
- TLV A3N-40A(ねじ込み形・面間180mm)
- TLV A3N-50A(ねじ込み形・面間195mm)
今お使いのスチームトラップの銘板(型式・呼び径が書かれたプレート)の写真をお送りいただければ、交換品の選定をお手伝いします。お問い合わせ・お見積もりフォーム、またはお電話(0545-61-5948)でお気軽にご相談ください。
読んだあとは、商品選びへ。
呼び径・接続方式・流体・圧力・温度をご確認ください。交換品や仕様に迷ったら、お問い合わせください。

