電磁弁は、コイルに電気を流す・止めることで、配管の流れを自動で開け閉めするバルブです。この記事では、設備担当者・施工業者の方向けに、電磁弁のメーカーと選び方を、当店で扱っているベン(VENN)の「桃太郎II」PS22-W・WS22-F と、ヨシタケ(RED MAN)DP-100 のカタログをもとにまとめました。蒸気・水・空気(エアー)など流体ごとの使い分け、型番・面間の一覧、取付けの注意も載せています。
この記事の要点
- 電磁弁は、蒸気・水・油の配管用と、機械を動かす空気圧機器用で、主なメーカーが分かれます。当店のサイトでは配管用のベン(桃太郎II)とヨシタケ(RED MAN)を販売しています。SMC・CKD・コガネイなど空気圧機器用の電磁弁もお取り扱いしています(サイト未掲載のため、型番をお問い合わせください)
- 選ぶ順番は流体 → 温度 → 圧力と最小差圧 → 通電開・通電閉 → 呼び径(流量)→ 接続・面間 → 電圧・設置場所です
- 蒸気はベン PS22-W かヨシタケ DP-100。ベン WS22-F(ダイヤフラム式)は蒸気には使えず、水・空気・不活性ガス・油(60℃以下)用です
- 空気(エアー)で漏れをなくしたい場合は、カタログで許容漏洩量「なし」のベン WS22-F が該当します
目次
電磁弁(蒸気・水・空気・油):ベン PS22-W
桃太郎II ピストン式 青銅 通電開 5〜180℃/サイズを選んで商品ページへ
PS22-W-10A PS22-W-15A PS22-W-20A PS22-W-25A PS22-W-32A PS22-W-40A PS22-W-50A
電磁弁(水・空気・不活性ガス・油):ベン WS22-F
桃太郎II ダイヤフラム式 青銅 通電開 5〜60℃/サイズを選んで商品ページへ
WS22-F-15A WS22-F-20A WS22-F-25A WS22-F-32A WS22-F-40A WS22-F-50A
電磁弁(蒸気・冷温水・空気・ガス・油):ヨシタケ DP-100
RED MAN パイロット式ピストン ステンレス 通電時開形 5〜180℃/サイズを選んで商品ページへ
DP-100-10A DP-100-15A DP-100-20A DP-100-25A DP-100-32A DP-100-40A DP-100-50A
電磁弁とは:仕組みと種類
電磁弁(ソレノイドバルブ)は、コイルに通電すると電磁石の力で弁が動き、流れを開閉するバルブです。タイマーや温度・水位などの信号と組み合わせて、蒸気・水・空気・油の供給を自動で入り切りするのに使われます。
作動:通電開と通電閉
- 通電開(ノーマルクローズ):電気を流していないときは閉、通電すると開きます。当店の PS22-W・WS22-F・DP-100 はすべて通電開形です
- 通電閉(ノーマルオープン):電気を流していないときは開、通電すると閉じます。メーカーには、ベン PS22C-W・WS22C-F、ヨシタケ DP-100-C などの通電閉形があります
構造:ピストン式とダイヤフラム式
当店で扱う電磁弁は、弁を動かす部品の違いで2種類あります。
- ピストン式(ベン PS22-W、ヨシタケ DP-100〔パイロット式ピストンタイプ〕):蒸気を含む幅広い流体に使え、流体温度は5〜180℃です
- ダイヤフラム式(ベン WS22-F):ゴム(NBR)のダイヤフラムで開閉します。水・空気・不活性ガス・油用で、流体温度は5〜60℃。カタログには「ウォータハンマ緩和機構を備えています」とあります
電磁弁の主なメーカー:配管用と空気圧機器用
「電磁弁 メーカー」で探すときは、まず何に使う電磁弁かで分けると探しやすくなります。
- 配管用(蒸気・水・温水・油などの配管に組み込み、流れを入り切りする):当店で扱っているベン(桃太郎IIシリーズ)やヨシタケ(RED MANシリーズ)などのバルブメーカーが作っています。JIS Rcねじ込み形で、呼び径10A〜50A のように配管サイズで選びます
- 空気圧機器用(エアシリンダーなどの空気圧機器を動かすための切換弁など):SMC・CKD・コガネイなどの空気圧機器メーカーの製品が一般的です。これらのメーカーの電磁弁も当店でお取り扱いしています。サイトには掲載していないため、お電話(0545-61-5948)またはお問い合わせ・お見積もりから、メーカー名・型番・数量をお知らせください
同じ「電磁弁」でも用途と選び方が違うため、蒸気・水の配管に付ける電磁弁を探している場合は、配管用のメーカー・型式から選んでください。
ベン(桃太郎II)とヨシタケ(RED MAN)の電磁弁を比較
| 項目 | ベン PS22-W | ベン WS22-F | ヨシタケ DP-100 |
|---|---|---|---|
| シリーズ・構造 | 桃太郎II(PS-22型) ピストン式 |
桃太郎II(WS-22型) ダイヤフラム式 |
RED MAN パイロット式ピストンタイプ |
| 作動 | 通電開 | 通電開 | 通電時開形 |
| 適用流体 | 蒸気・水・空気・油(灯油・軽油程度) | 水・空気・不活性ガス・油(灯油・軽油程度) ※蒸気・可燃性ガスは不可 |
蒸気・冷温水・空気・窒素ガス・炭酸ガス(乾燥状態)・アルゴンガス・A重油・B重油・灯油・軽油(20cSt以下) |
| 流体温度 | 5〜180℃ (温水の場合100℃以下) |
5〜60℃ | 5〜180℃(凍結不可) |
| 適用圧力 | 0〜1.0MPa | 0〜1.0MPa | 0〜1.0MPa(真空使用不可) |
| 弁前後の最小差圧 | 0MPa (コイルが水平の場合0.03MPa) |
0MPa (コイルが水平の場合0.03MPa) |
0MPa (コイル横向きの場合0.03MPa) |
| 本体材質 | CAC408(青銅) | CAC408(青銅)・ダイヤフラム NBR | ステンレス鋼・ディスク PTFE |
| 接続 | JIS Rcねじ | JIS Rcねじ | JIS Rc |
| 定格電圧 | AC100/200V 50/60Hz (AC110/220V 60Hz共用) |
AC100/200V 50/60Hz (AC110/220V 60Hz共用) |
AC100/200V 結線方法選択形 (50/60Hz共用) |
| 保護構造 | 防塵・防沫形(IP54相当)・屋内用 (呼び径32以上は IP52相当) |
防塵・防沫(IP54相当)・屋内用 | IP64 耐じん・防まつ形 |
| 取付姿勢 | 水平・垂直(コイル下向きを除く) | 水平・垂直(コイル下向きを除く) | 水平・垂直(コイル上向きに対して90°以内) |
| 当店の呼び径 | 10A〜50A(7サイズ) | 15A〜50A(6サイズ) | 10A〜50A(7サイズ) |
出典:ベン PS-22型(カタログ351頁)・WS-22型(342頁)、ヨシタケ DP-100(11-12頁)。
ベンのカタログによると、PS-22型・WS-22型は従来品(PS-12型・WS-12型)と面間寸法が同じで、改修時の取替えが容易です。ヨシタケ DP-100 は、カタログに「60万回以上の開閉作動をクリア」「ボディステンレス化により耐食性が向上」とあります。
流体で選ぶ:蒸気・水・空気(エアー)・油

蒸気に使う電磁弁
蒸気には、ベン PS22-W(青銅製)かヨシタケ DP-100(ステンレス製)を選びます。ベン WS22-F は蒸気には使えません。ベンのカタログ(384頁)では、蒸気に使う場合は配管系にスチームトラップを取り付けること、電磁弁が閉じたときに二次側が負圧になる場合は二次側に真空調整弁(バキュームブレーカ)を取り付けることを挙げています。
水・温水に使う電磁弁
60℃以下の水なら3型式とも使えます。ベン WS22-F はダイヤフラム式で、ウォータハンマ緩和機構を備えています。60℃を超える温水は、ベン PS22-W(温水は100℃以下)かヨシタケ DP-100 です。なお、ヨシタケのカタログでは、DP-100 を冷温水で使う場合は DP-200・DP-200F を推奨しています(当店では未掲載のため、お問い合わせください)。
ベンのカタログでは、PS-22型について「空気で漏えい量なしをご希望の場合や、井水、河川水に使用する場合は、WS型シリーズをご使用ください」と注記しています。また、液体の場合は弁が閉じたときのウォータハンマや周囲温度による熱膨張で配管内の圧力が上がることがあるため、機器の保護にレリーフ弁の取付けを推奨しています。
空気(エアー)に使う電磁弁
空気には3型式とも使えます。違いは弁が閉じているときの漏れ量(許容漏洩量)です。
| 型式 | 空気の許容漏洩量(カタログ) |
|---|---|
| ベン WS22-F | なし(気体は0.02〜1.0MPa時) |
| ベン PS22-W | 呼び径10〜25:50mL/min(標準状態)以下(0.1MPa時) 呼び径32〜50:50mL/min(標準状態)以下(0.5MPa時) |
| ヨシタケ DP-100 | 50mL/min(標準状態)(空気圧0.6MPa時) |
エアーの配管で、閉じたときに漏れがないことを重視する場合はベン WS22-F が向いています。ただし WS-22型のカタログには、「オイルフリーコンプレッサーによるドライエアーの空気圧システムで使用する場合、ゴム部品が短時間で著しく劣化することがある」ため、そのような場所に設置する場合は問い合わせるよう注記があります。窒素・炭酸ガス(乾燥状態)・アルゴンなどのガスには、ヨシタケ DP-100 や ベン WS22-F(不活性ガス)が該当します。可燃性ガスには WS22-F は使えません。
油に使う電磁弁
灯油・軽油程度の油には3型式とも使えます。A重油・B重油はヨシタケ DP-100 の適用流体に含まれています(20cSt以下)。ベンのカタログでは、燃料油・軽油用の場合は、使用先(国土交通省・防衛省など)によって本体材質の指定がある場合があるとしています。
電磁弁の選び方:7つの確認ポイント
- 流体:蒸気・水・空気・ガス・油のどれか。上の比較で使える型式を絞ります
- 温度:WS22-F は5〜60℃、PS22-W・DP-100 は5〜180℃(PS22-W の温水は100℃以下)。凍結のおそれがある場所は水抜き・保温が必要です
- 圧力と最小差圧:3型式とも適用圧力0〜1.0MPa。コイルを水平(横向き)に付ける場合は、弁前後の差圧0.03MPa以上が必要です
- 通電開か通電閉か:停電時に閉じていてほしいなら通電開(ノーマルクローズ)です。当店の3型式は通電開です
- 呼び径(流量):配管サイズではなく、一次側・二次側の圧力と流量からカタログの呼び径選定図表で選びます。ベン PS型の例では、一次側0.1MPa・二次側0.09MPa(差圧0.01MPa)・蒸気50kg/h で、図表の交点が15と20の間になるため、大きい方の呼び径20を選んでいます
- 接続・面間:既設の電磁弁を交換する場合は、面間(L)が合うか確認します(型番・面間の一覧)
- 電圧・設置場所:3型式とも AC100/200V 共用です。ベンの共用電圧コイルは、リード線4本(赤・黒・黄・白)の結線の組み合わせで AC100V と AC200V を切り替えます。ベン PS22-W・WS22-F は屋内用で、屋外で使う場合は端子箱(TB-03型など、別途注文)の併用が必要です
取付けの注意(カタログの設置上のポイント)
ベンのカタログ(384頁「電磁弁設置上のポイント」)から、主な点をまとめます。
- 電磁弁の一次側にストレーナを取り付ける(国土交通省仕様の網目は、電磁弁の前に設ける場合80メッシュ以上)。ストレーナのメッシュ数はY形ストレーナーとはで紹介しています
- 運転を止められない装置は、一次側から二次側へのバイパス配管(止弁付き)を設ける。設けない場合は、ブロー用止弁を設けてフラッシングできるようにする
- 取付姿勢は、水平配管にコイルを上にした正立姿勢が基本。呼び径50以下は正立から水平(真横)までの姿勢で縦配管にも使えるが、弁前後の差圧0.03MPa以上が必要
- 二次側の圧力が一次側より高くなる場合は、逆流するため二次側に逆止弁を取り付ける
- 流体の流れ方向と、製品に示す流れ方向の矢印を合わせる
- コイルの結線には0.75mm²以上の電線を使い、電気回路保護用にヒューズを入れる。コイルは通電を繰り返すと表面が約70℃位まで上がるので注意する
- 凍結のおそれがある場合は水抜きや保温をする(ただしコイル部分は保温しない)
- 長期間作動しない用途では、内部部品の固着による作動不良のおそれがあるため、月に1回程度の作動確認を行う
- 安全確保目的の遮断用途には、遮断弁を使う
型番・面間の一覧
| 呼び径 | ベン PS22-W | ベン WS22-F | ヨシタケ DP-100 |
|---|---|---|---|
| 10A(3/8B) | PS22-W-10A L=63mm |
- | DP-100-10A L=70mm |
| 15A(1/2B) | PS22-W-15A L=63mm |
WS22-F-15A L=63mm |
DP-100-15A L=70mm |
| 20A(3/4B) | PS22-W-20A L=80mm |
WS22-F-20A L=80mm |
DP-100-20A L=80mm |
| 25A(1B) | PS22-W-25A L=90mm |
WS22-F-25A L=90mm |
DP-100-25A L=95mm |
| 32A(1-1/4B) | PS22-W-32A L=106mm |
WS22-F-32A L=106mm |
DP-100-32A L=110mm |
| 40A(1-1/2B) | PS22-W-40A L=118mm |
WS22-F-40A L=118mm |
DP-100-40A L=120mm |
| 50A(2B) | PS22-W-50A L=140mm |
WS22-F-50A L=140mm |
DP-100-50A L=140mm |
型番をクリックすると各サイズの商品ページへ移動します。L は面間(mm)です。ベン PS22-W と WS22-F は、同じ呼び径なら面間が同じです。ベン WS22-F の10Aは当店では扱っていません。
よくある質問
Q. 電磁弁のメーカーはどこを選べばよいですか?
A. 蒸気・水・油などの配管に付ける電磁弁なら、ベン・ヨシタケなどのバルブメーカーの配管用電磁弁から、流体・温度・圧力・呼び径で選びます。エアシリンダーなどを動かす空気圧機器用の電磁弁は、SMC・CKD・コガネイなどの空気圧機器メーカーの製品が一般的です。
Q. SMC・CKD・コガネイの電磁弁も買えますか?
A. はい、お取り扱いしています。サイトには掲載していないため、メーカー名・型番・数量をお電話またはお問い合わせフォームからお知らせください。在庫・納期・価格をご案内します。
Q. 「桃太郎」の電磁弁とは何ですか?
A. ベン(VENN)の電磁弁のシリーズ名です。当店では「桃太郎II」の PS-22型(ピストン式・PS22-W)と WS-22型(ダイヤフラム式・WS22-F)を扱っています。
Q. 蒸気に使える電磁弁はどれですか?
A. ベン PS22-W とヨシタケ DP-100 です(いずれも5〜180℃)。ベン WS22-F は蒸気には使えません。
Q. エアー(空気)に使える電磁弁は?
A. 3型式とも空気に使えます。閉じたときの漏れ量は、ベン WS22-F が「なし」、PS22-W は50mL/min(標準状態)以下、DP-100 は50mL/min(標準状態)です(試験時の圧力は上の表のとおり)。
Q. コイルを横向きに付けられますか?
A. 付けられますが、弁前後の差圧が0.03MPa以上必要です。ベンの2型式はコイル下向きの取付けができません。ヨシタケ DP-100 はコイル上向きに対して90°以内です。
Q. 停電したとき、電磁弁は開いていますか?
A. 当店の3型式は通電開形なので、通電していないとき(停電時を含む)は閉じています。
この記事で紹介した商品
- ベン 桃太郎II PS22-W(ピストン式・蒸気・水・空気・油):PS22-W-10A(面間63mm)・PS22-W-15A(63mm)・PS22-W-20A(80mm)・PS22-W-25A(90mm)・PS22-W-32A(106mm)・PS22-W-40A(118mm)・PS22-W-50A(140mm)
- ベン 桃太郎II WS22-F(ダイヤフラム式・水・空気・不活性ガス・油):WS22-F-15A(面間63mm)・WS22-F-20A(80mm)・WS22-F-25A(90mm)・WS22-F-32A(106mm)・WS22-F-40A(118mm)・WS22-F-50A(140mm)
- ヨシタケ RED MAN DP-100(パイロット式ピストン・ステンレス):DP-100-10A(面間70mm)・DP-100-15A(70mm)・DP-100-20A(80mm)・DP-100-25A(95mm)・DP-100-32A(110mm)・DP-100-40A(120mm)・DP-100-50A(140mm)
電磁弁の商品一覧もご覧ください。蒸気配管で使うそのほかのバルブは蒸気用バルブの種類と選び方で紹介しています。
電磁弁の型番・在庫のご相談
「既設の桃太郎と同じ型番がほしい」「蒸気・エアーに使える電磁弁を選んでほしい」「通電閉形や掲載のないサイズを探している」「SMC・CKD・コガネイの電磁弁の見積もりがほしい」といったご相談は、お電話(0545-61-5948)またはお問い合わせ・お見積もりからお気軽にどうぞ。12時までのご注文で、当日出荷いたします(土日祝のご注文は翌営業日の出荷)。
読んだあとは、商品選びへ。
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