安全弁は、機器や配管の圧力が決めた値(設定圧力)まで上がったときに自動で開き、圧力を逃がして守る弁です。この記事では、設備担当者・施工業者の方向けに、安全弁の仕組み、設定圧力の決め方(減圧弁の二次側に付ける場合の目安)、吹出し量からの呼び径の選び方、設定圧力を調整・変更するときの注意を、ヨシタケのカタログの記載をもとにまとめました。当店で扱っているヨシタケ AL-150(安全リリーフ弁)の型番・仕様も載せています。
この記事の要点
- ばね式安全弁は、ばねの力で弁体を押さえ、入口の圧力が設定圧力に達すると開いて逃がし、圧力が下がると閉じます
- 蒸気用減圧弁の二次側に警報用として付ける場合、ヨシタケのカタログでは安全弁の設定圧力の目安を「減圧弁の設定圧力+0.05〜0.12MPa以上(0.8MPaを超える場合は+15%)」としています
- 呼び径は、設定圧力ごとの吹出し量(排出能力)で選びます。例:AL-150-20A は設定0.5MPaで蒸気104kg/h
- 設定圧力は注文時に指定します。変更・調整はメーカーの取扱説明書に従い、ばねの適用範囲内で行う必要があります。当店の AL-150 は設定0.3MPa・0.5MPaの品番です
目次
蒸気用減圧弁:ヨシタケ GP-1000
二次側に安全弁を付ける組み合わせ 15A〜100A/サイズを選んで商品ページへ
GP-1000-15A GP-1000-20A GP-1000-25A GP-1000-32A GP-1000-40A GP-1000-50A GP-1000-65A GP-1000-80A GP-1000-100A
安全弁とは:役割と仕組み
安全弁は、ボイラ・圧力容器・配管などの圧力が、何らかの原因で決めた値を超えて上がったときに、流体を逃がして圧力の上がりすぎを防ぐ弁です。ふだんは閉じていて、圧力が下がると自動で閉じます。
当店で扱っているヨシタケ AL-150 のようなばね式の安全弁は、ばねの力で弁体を弁座に押し付けています。入口の圧力による力がばねの力を上回ると弁体が上がって吹き出し、圧力が下がると再び閉じます。ばねをどれだけ締め付けるかで、開き始める圧力(設定圧力)が決まります。

安全弁・リリーフ弁・安全リリーフ弁の違い
一般に、蒸気や空気などの気体に使うものを安全弁、水や油などの液体に使うものをリリーフ弁(逃し弁)、両方に使えるものを安全リリーフ弁と呼び分けます。ヨシタケ AL-150 は安全リリーフ弁で、カタログには「蒸気、空気、水、油などの流体に対応する万能タイプ」とあります。
また、弁体の上がる量(揚程)によって揚程式と全量式に分けられます。AL-150 は揚程式・密閉形で、カタログには「密閉形構造である為、外部に流体が漏れません」と書かれています。
設定圧力の決め方
基本の考え方
設定圧力は、守りたい機器・配管の最高使用圧力を超えない範囲で、ふだんの運転圧力では吹き出さない値にします。運転圧力に近すぎると、圧力の小さな変動で吹き出してしまいます。ボイラや圧力容器など、法令や規格で安全弁の設定が決められている設備は、その規定に従ってください。
減圧弁の二次側に付ける場合の目安(ヨシタケのカタログ)
蒸気用減圧弁の二次側に、警報用として安全弁を付ける場合の設定圧力の目安が、ヨシタケの減圧弁 GP-1000 のカタログ(1-44頁)に載っています。減圧弁そのものの選び方(口径・一次側/二次側圧力)は減圧弁の選定方法にまとめています。
| 減圧弁の設定圧力 | 安全弁の設定圧力の目安 | 例 |
|---|---|---|
| 0.1MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.05MPa以上 | 0.1MPa → 0.15MPa以上 |
| 0.1を超え0.4MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.08MPa以上 | 0.2MPa → 0.28MPa以上 |
| 0.4を超え0.6MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.1MPa以上 | 0.4MPaを超え0.5MPa → 0.6MPa以上 |
| 0.6を超え0.8MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.12MPa以上 | 0.7MPa → 0.82MPa以上 |
| 0.8MPaを超える場合 | 減圧弁の設定圧力+15% | 0.9MPa → 1.035MPa |
同じカタログには、「減圧弁二次側の安全弁選定で警報用として取付ける場合の排出能力は、法規的な規制がありませんので、目安として減圧弁の最大流量10%程度の吹出し量を有するものを選定してください」とも書かれています。
たとえば当店の AL-150 の品番では、設定0.3MPaの AL-150-03-20A は、減圧弁の設定が0.22MPa以下(0.22+0.08=0.30MPa)、設定0.5MPaの AL-150-05-20A・25A は、減圧弁の設定が0.40MPa以下(0.40+0.08=0.48MPa≦0.5MPa。0.4MPaを超えると+0.1MPa以上が必要になり0.5MPaを超える)の場合の目安に当てはまります。減圧弁の選び方は蒸気用バルブの種類と選び方でも紹介しています。
吹出し量から呼び径を選ぶ
安全弁は、逃がしたい量を吹き出せる大きさ(呼び径)を選びます。ヨシタケ AL-150 の吹出し量(カタログ3-19頁「呼び径選定数値表」)から、当店で扱っている設定圧力の値を抜き出すと次のとおりです。
| 呼び径 | 設定圧力 | 蒸気(kg/h) | 空気(kg/h) | 水(m³/h) |
|---|---|---|---|---|
| 20A | 0.3MPa | 69 | 111 | 2.0 |
| 20A | 0.5MPa | 104 | 169 | 2.6 |
| 25A | 0.3MPa | 105 | 171 | 3.1 |
| 25A | 0.5MPa | 159 | 258 | 4.0 |
蒸気は飽和温度・圧力容器構造規格、空気は20℃・圧力容器構造規格、水はアキュームレーション25%(ヨシタケ社内規定)の値です。
設定圧力の調整・変更の注意
「安全弁の調整方法」はよく調べられていますが、安全弁は設備を守る最後の装置です。次の点に注意してください。
- 設定圧力は注文時に指定する:AL-150 は設定圧力を指定して手配します(当店の品番は0.3MPa・0.5MPa設定)。AL-150 の適用圧力は0.05〜1.0MPaで、カタログには「圧力区分を細分化」とあり、設定圧力によって使うばねの区分が決まっています
- 変更・調整はばねの適用範囲内で:ばね式安全弁は、ばねの締め付けを変えることで設定圧力が変わる構造です。ばねの区分の範囲を超える変更はできず、その場合はばね(または製品)の交換が必要になります
- 調整はメーカーの取扱説明書に従い、圧力計で吹き出す圧力を確認して行う:調整後は、設定どおりに吹き出し、圧力が下がって閉じることを確認します
- 法令・規格の対象となる設備(ボイラ・圧力容器など)は、その規定に従った検査・調整が必要です
設定圧力の違う AL-150 が必要な場合や、既設の安全弁と同じ仕様のものを探している場合は、お問い合わせください。
ヨシタケ AL-150 の仕様と当店の品番
| 項目 | 仕様(カタログ3-15頁) |
|---|---|
| 形式 | 安全リリーフ弁・揚程式・密閉形 |
| 適用流体 | 蒸気・空気・冷温水・油・その他非危険流体(冷温水で使う場合は AL-150T を推奨) |
| 適用圧力 | 0.05〜1.0MPa |
| 適用温度 | 5〜220℃(水・油などの液体は最高150℃) |
| 材質 | ばね箱 青銅、弁体・弁座 ステンレス鋼(SCS14A)、調節ばね ステンレス鋼 |
| 接続 | JIS Rc(ねじ込み形) |
| 品番 | 設定圧力 | 寸法(mm) | 吹出し面積 | 質量 |
|---|---|---|---|---|
| AL-150-03-20A | 0.3MPa | 接続 Rc3/4 L=38・H=128.5 |
34.6mm² | 0.8kg |
| AL-150-05-20A | 0.5MPa | 接続 Rc3/4 L=38・H=128.5 |
34.6mm² | 0.8kg |
| AL-150-05-25A | 0.5MPa | 接続 Rc1 L=43・H=144.5 |
53.0mm² | 1.1kg |
L は入口中心から出口端面までの寸法、H は全高です(アングル形のため、ストレート形の「面間」とは測り方が違います)。品番をクリックすると商品ページへ移動します。
よくある質問
Q. 安全弁とは何ですか?
A. 機器や配管の圧力が設定圧力まで上がったときに自動で開いて圧力を逃がし、圧力が下がると閉じる弁です。
Q. 安全弁の設定圧力はどう決めますか?
A. 守りたい機器・配管の最高使用圧力を超えない範囲で、ふだんの運転では吹き出さない値にします。蒸気用減圧弁の二次側に警報用として付ける場合は、ヨシタケのカタログの目安(減圧弁の設定圧力+0.05〜0.12MPa以上、0.8MPaを超える場合は+15%)が参考になります。
Q. 安全弁の設定圧力は自分で調整できますか?
A. ばね式は、ばねの締め付けで設定圧力が変わる構造ですが、ばねの適用範囲を超える変更はできません。調整はメーカーの取扱説明書に従い、圧力計で確認して行ってください。法令の対象となる設備は、その規定に従う必要があります。
Q. 冷温水に使えますか?
A. AL-150 のカタログでは、冷温水で使う場合は AL-150T を推奨しています。水・油などの液体の場合、最高温度は150℃です。
Q. 安全弁とリリーフ弁の違いは?
A. 一般に、気体(蒸気・空気など)に使うものを安全弁、液体に使うものをリリーフ弁、両方に使えるものを安全リリーフ弁と呼びます。AL-150 は安全リリーフ弁です。
この記事で紹介した商品
- ヨシタケ AL-150(安全リリーフ弁):AL-150-03-20A(設定0.3MPa・20A)・AL-150-05-20A(設定0.5MPa・20A)・AL-150-05-25A(設定0.5MPa・25A)
- ヨシタケ GP-1000(蒸気用減圧弁):GP-1000-15A・GP-1000-20A・GP-1000-25A・GP-1000-32A・GP-1000-40A・GP-1000-50A・GP-1000-65A・GP-1000-80A・GP-1000-100A
安全弁の商品一覧もご覧ください。
安全弁の型番・設定圧力・在庫のご相談
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呼び径・接続方式・流体・圧力・温度をご確認ください。交換品や仕様に迷ったら、お問い合わせください。



