減圧弁は、配管の圧力(一次側)を下げて、使う側(二次側)の圧力を一定に保つ自動弁です。選び方を間違えると、「設定した圧力まで下がらない」「流量が足りない」「圧力が安定しない」といったトラブルにつながります。
この記事では、設備担当者・施工業者の方向けに、蒸気用減圧弁の選定方法(流体・一次側圧力・二次側圧力・流量・口径の決め方)を、当店で扱っているヨシタケ・ベン(VENN)の減圧弁の仕様をもとに解説します。
蒸気用減圧弁:ヨシタケ GP-1000
パイロット式・フランジ形 15A〜100A/サイズを選んで商品ページへ
GP-1000-15A GP-1000-20A GP-1000-25A GP-1000-32A GP-1000-40A GP-1000-50A GP-1000-65A GP-1000-80A GP-1000-100A
蒸気用減圧弁:ベン RP6-B
パイロット式・フランジ形 15A〜100A/サイズを選んで商品ページへ
RP6-B-15A RP6-B-20A RP6-B-25A RP6-B-32A RP6-B-40A RP6-B-50A RP6-B-65A RP6-B-80A RP6-B-100A
蒸気用減圧弁:ベン RD40
小型・ねじ込み形 15A〜25A/サイズを選んで商品ページへ
RD40-JL-15A RD40-JL-20A RD40-JL-25A RD40-JM-15A RD40-JM-20A RD40-JM-25A
蒸気用減圧弁:ヨシタケ GD-30
直動式・ねじ込み形 15A〜25A/サイズを選んで商品ページへ
GD-30-B-15A GD-30-B-20A GD-30-B-25A GD-30-C-15A GD-30-C-20A GD-30-C-25A
減圧弁を選ぶ5つの手順
- 流体を確認する:蒸気用か、水・温水用か。蒸気用と水用では型式が異なります。
- 一次側圧力を確認する:減圧弁の入口にかかる最高の圧力が、型式の一次側圧力の上限以下であること。
- 二次側の設定圧力を決める:使いたい圧力が、型式(またはばねの種類)の二次側圧力の調整範囲に入っていること。
- 流量から呼び径(口径)を決める:配管のサイズではなく、必要な蒸気流量と一次側・二次側の圧力から選びます。
- 最小差圧・最大減圧比・接続・面間を確認する:一次側と二次側の差が小さすぎたり、減らす比率が大きすぎたりすると、うまく制御できません。
手順1〜3:流体と圧力で型式を絞る
当店で扱っている減圧弁の仕様を一覧にしました。まず、流体・一次側圧力・二次側の調整範囲で候補を絞ります。
| 型式 | 流体 | 一次側圧力 | 二次側圧力 | 最小差圧 | 最大減圧比 | 使用温度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヨシタケ GP-1000(パイロット式) | 蒸気 | 0.1〜1.0MPa | 0.05〜0.9MPa(一次側の90%以下) | 0.05MPa | 20:1 | 220℃ |
| ベン RP6-B(パイロット式・手動ハンドル) | 蒸気 | 1.0MPa以下 | 0.03〜0.8MPa | 0.05MPa(100Aは0.07MPa) | 20:1 | 184℃以下 |
| ベン RD40-JL(小型・ベローズ式) | 蒸気 | 1.0MPa以下 | 0.02〜0.25MPa | 0.02MPa | 20:1 | 220℃以下 |
| ベン RD40-JM(小型・ベローズ式) | 蒸気 | 1.0MPa以下 | 0.2〜0.4MPa | 0.02MPa | 20:1 | 220℃以下 |
| ヨシタケ GD-30-B(直動式) | 蒸気 | 1.7MPa以下 | 0.05〜0.4MPa | 0.05MPa | 10:1 | 210℃ |
| ヨシタケ GD-30-C(直動式) | 蒸気 | 1.7MPa以下 | 0.35〜1.0MPa | 0.05MPa | 10:1 | 210℃ |
| ベン RD31N-FL(直動式) | 水・温水 | 1.0MPa以下 | 0.05〜0.35MPa | 0.05MPa | 10:1 | 5〜90℃ |
| ベン RD31N-FH(直動式) | 水・温水 | 1.0MPa以下 | 0.3〜0.7MPa | 0.05MPa | 10:1 | 5〜90℃ |
同じ型式でも、二次側圧力の範囲によって型番(ばねの種類)が分かれるものがあります(RD40-JL/JM、GD-30-B/C、RD31N-FL/FH)。水・温水用のRD31Nは、空気・不活性ガスにも使えます(蒸気には使えません)。
手順4:流量から呼び径を決める
減圧弁の呼び径は、配管のサイズに合わせるのではなく、必要な蒸気流量から選びます。メーカーのカタログには、一次側圧力・二次側圧力・流量から呼び径を求める「呼び径選定図表」が載っています。ヨシタケ GP-1000のカタログには、次の選定例があります。
| 一次側圧力 | 二次側圧力 | 蒸気流量 | 選定結果 |
|---|---|---|---|
| 0.6MPa | 0.4MPa | 800kg/h | 40Aと50Aの間 → 大きいほうのGP-1000-50A |
| 0.8MPa | 0.05MPa | 600kg/h | 32Aと40Aの間 → 大きいほうのGP-1000-40A |
図表の値が2つの呼び径の間になったときは、大きいほうを選びます。また、二次側の配管抵抗などを考慮し、使用する流量には10〜20%の安全率(余裕)をとるようカタログで案内されています。流量がわからない場合は、使用する機器の蒸気消費量(kg/h)を確認してください。
手順5:最小差圧・最大減圧比・接続を確認する
- 最小差圧:一次側と二次側の圧力差が、型式の最小差圧より小さいと正しく作動しません(例:GP-1000は0.05MPa)。
- 最大減圧比:一次側から二次側へ一度に下げられる比率の上限です(パイロット式のGP-1000・RP6-B・RD40は20:1、直動式のGD-30は10:1)。一次側と二次側の圧力差が大きい場合は、型式の選び方をご相談ください。
- 接続と面間:交換の場合は、今付いている減圧弁と接続方式・面間が合うかを確認します。
型式ごとの接続と面間
| 呼び径 | GP-1000 (JIS 10K FF) |
RP6-B (フランジ) |
RD40-JL・JM (ねじ込み) |
GD-30-B・C (ねじ込み) |
|---|---|---|---|---|
| 15A | GP-1000-15A L=150mm |
RP6-B-15A L=140mm |
L=83mm | L=80mm |
| 20A | GP-1000-20A L=155mm |
RP6-B-20A L=140mm |
L=96mm | L=85mm |
| 25A | GP-1000-25A L=160mm |
RP6-B-25A L=150mm |
L=108mm | L=95mm |
| 32A | GP-1000-32A L=190mm |
RP6-B-32A L=180mm |
− | − |
| 40A | GP-1000-40A L=190mm |
RP6-B-40A L=180mm |
− | − |
| 50A | GP-1000-50A L=220mm |
RP6-B-50A L=200mm |
− | − |
| 65A | GP-1000-65A L=245mm |
RP6-B-65A L=230mm |
− | − |
| 80A | GP-1000-80A L=290mm |
RP6-B-80A L=260mm |
− | − |
| 100A | GP-1000-100A L=330mm |
RP6-B-100A L=320mm |
− | − |
型番をクリックすると各サイズの商品ページへ移動します。寸法は各メーカーのカタログによります。同じ呼び径・同じフランジ形でも、GP-1000とRP6-Bでは面間が異なります。メーカーを変える場合は配管の改造が必要です。RD40・GD-30の各サイズは、上の商品カードからご覧ください。
型式ごとの特長
- ヨシタケ GP-1000:SHASE-S106(空気調和・衛生工学会の減圧弁規格)に準拠したパイロット式ピストンタイプ。ストレーナ内蔵。弁座漏れ量は定格流量の0.01%以下。
- ベン RP6-B:手動ハンドルで二次側圧力を調整するパイロット式。締切昇圧0.02MPa以下。取付は水平配管に正立。呼び径100Aは調整方式が調節ねじ式になり、最小差圧が0.07MPaになります。
- ベン RD40-JL・JM:ベローズ式の小型減圧弁。最小差圧0.02MPaと小さい差圧から使えます。取付は水平配管に正立。
- ヨシタケ GD-30-B・C:外圧式ベローズの直動式。小型・軽量で、厨房用・クリーニング機械用などに使われます。スクリーン(60メッシュ)内蔵、一次側圧力1.7MPaまで使えます。
二次側に安全弁を付ける場合
減圧弁が故障したときに二次側の機器を守るため、二次側に警報用の安全弁を取り付けることがあります。ヨシタケ GP-1000のカタログでは、安全弁の設定圧力の目安を次のように案内しています。
| 減圧弁の設定圧力 | 安全弁の設定圧力(目安) |
|---|---|
| 0.1MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.05MPa以上 |
| 0.1MPaを超え0.4MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.08MPa以上 |
| 0.4MPaを超え0.6MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.1MPa以上 |
| 0.6MPaを超え0.8MPa以下 | 減圧弁の設定圧力+0.12MPa以上 |
| 0.8MPaを超える場合 | 減圧弁の設定圧力+15% |
警報用安全弁の吹出し量は、目安として減圧弁の最大流量の10%程度のものを選ぶよう案内されています。当店では、ヨシタケの安全リリーフ弁 AL-150(設定圧力0.3MPa・20A)・AL-150(設定圧力0.5MPa・20A)・AL-150(設定圧力0.5MPa・25A)を扱っています。
よくある質問
Q. 配管が25Aなら、減圧弁も25Aでよいですか?
A. 必ずしもそうではありません。減圧弁は流量と圧力から呼び径を選ぶため、配管より小さい呼び径になることもあります。蒸気流量と一次側・二次側の圧力をお知らせいただければ、選定のお手伝いをします。
Q. 水道の給水に使える減圧弁はありますか?
A. 当店では水・温水用としてベン RD31N-FL・RD31N-FHを扱っています。上の蒸気用の減圧弁は、水には使えません。
Q. 在庫や納期、まとめて購入する場合の見積もりは?
A. お電話(0545-61-5948)またはお問い合わせ・お見積もりフォームから、型番・サイズ・数量をお知らせください。
この記事で紹介した商品
- ヨシタケ GP-1000(蒸気用・パイロット式・フランジ形 15A〜100A)
- ベン RP6-B(蒸気用・パイロット式・フランジ形 15A〜100A)
- ベン RD40-JL・RD40-JM(蒸気用・小型・ねじ込み形 15A〜25A)
- ヨシタケ GD-30-B・GD-30-C(蒸気用・直動式・ねじ込み形 15A〜25A)
- ベン RD31N-FL・RD31N-FH(水・温水用・ねじ込み形)
- ヨシタケ AL-150(安全リリーフ弁)
一次側・二次側の圧力と蒸気流量、今お使いの減圧弁の型番をお知らせいただければ、選定や交換品探しをお手伝いします。お問い合わせ・お見積もりフォーム、またはお電話(0545-61-5948)でお気軽にご相談ください。
読んだあとは、商品選びへ。
呼び径・接続方式・流体・圧力・温度をご確認ください。交換品や仕様に迷ったら、お問い合わせください。

