ベン ATB5-Gは、VENN(ベン)のバイパス付スチームトラップ「ATB-5型[三役]」のねじ込み形です。スチームトラップ・バイパス・ストップ弁の3つの機能を1台にまとめたサーモスタチック式(サーモエレメント式)のトラップで、呼び径は15A・20A・25Aの3サイズ。面間はどのサイズもL=130mmです。
この記事では、型番「ATB5-G」で交換品や仕様をお探しの方向けに、ベン ATB5-Gの仕様・面間・使える流体と取り付けの注意点をまとめました。
ベン ATB5-Gとは?「三役」の意味
一般的なスチームトラップまわりの配管では、トラップの前後に止め弁、横にバイパス配管とバイパス弁を設けます。ATB5-Gは、トラップ機能にバイパス回路とストップ弁を組み合わせた[三役]の構造で、これらをコンパクトにまとめています。そのため、スペースの有効利用と設備費の削減に効果的です。
そのほか、次のような特長があります。
- 排出量が大きいため、管末から大型の機器まで幅広く使用できます。
- 飽和蒸気温度から10℃下がった温度で作動するため、生蒸気の排出や弁体の空打ちがなく、省エネにつながります。
- テスト弁をトラップに直付けすることもできます。
ハンドルの3つの位置(TRAP・STOP・BY-PASS)
本体上部のハンドル(コック)を回すと、流れが次の3通りに切り替わります。
| ハンドルの位置 | 働き |
|---|---|
| TRAP(トラップ) | スチームトラップとして働きます(通常運転)。 |
| STOP(ストップ) | 流れを止めます(ストップ弁)。出荷時はこの位置です。 |
| BY-PASS(バイパス) | トラップを通さずに流します。最初の通気時に、管内のゴミやスケールをブローするときに使います。 |
カタログでは、最初の通気時はハンドルをBY-PASSにしてゴミ・スケールをブローし、その後TRAPに切り替えて通常運転を始めるよう案内されています。目盛りの中間の位置で使うのは避けてください。
ベン ATB5-Gの仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 形式 | サーモエレメント式(サーモスタチック式)・バイパス/ストップ弁付き |
| 接続 | JIS Rcねじ(ねじ込み形) |
| 呼び径 | 15A・20A・25A |
| 材質 | 本体:FC(鋳鉄)/弁体・弁座:SUS/コック:CAC406/サーモエレメント:SUS316L |
| 適用流体 | 飽和蒸気(過熱蒸気には使用できません) |
| 使用圧力 | 1.0MPa以下 |
| 使用温度 | 184℃以下 |
| 背圧許容度 | 一次側圧力の50%以下(最小差圧0.03MPa) |
| 取付姿勢 | 水平・垂直・横取付自由 |
| 本体耐圧性能 | 水圧にて1.5MPa(サーモエレメント部:0.5MPa) |
排出量(最大連続排出量)
呼び径15A〜25Aの最大連続排出量です(単位:L/h)。カタログでは、選定時の排出量は原則として「飽和蒸気温度−20℃の温水」の値で検討するよう案内されています。
| 圧力差 | 水 | 飽和蒸気温度−20℃の温水 |
|---|---|---|
| 0.03MPa | 650 | 600 |
| 0.05MPa | 900 | 800 |
| 0.1MPa | 1,350 | 1,150 |
| 0.2MPa | 1,900 | 1,700 |
| 0.3MPa | 2,400 | 2,100 |
| 0.4MPa | 2,800 | 2,400 |
| 0.5MPa | 3,150 | 2,700 |
| 0.6MPa | 3,400 | 2,950 |
| 0.7MPa | 3,700 | 3,150 |
| 0.8MPa | 3,900 | 3,300 |
| 0.9MPa | 4,150 | 3,450 |
| 1.0MPa | 4,300 | 3,550 |
呼び径を選ぶときは、安全率をみて計画排出量の3倍以上の容量で選定します。出口側に背圧がある場合は、入口側と出口側の圧力差で選定します。15A・20A・25Aは同じ表の値のため、呼び径は配管のサイズに合わせて選びます。
ATB5-Gのサイズ別 面間・質量一覧
| 型番・面間 | 接続 | 質量 |
|---|---|---|
| ATB5-G-15A L=130mm |
JIS Rcねじ | 3.1kg |
| ATB5-G-20A L=130mm |
JIS Rcねじ | 3.1kg |
| ATB5-G-25A L=130mm |
JIS Rcねじ | 3.1kg |
型番をクリックすると各サイズの商品ページへ移動します。寸法・質量はベンのカタログによります。ねじ込み形のATB-5型は、呼び径15A〜25Aで本体・寸法が共通です。フランジ形は別の型式(ATB5F-G)になります。
選定と取り付けのポイント
- 過熱蒸気には使用できません。適用流体は飽和蒸気です。
- 使用圧力1.0MPa以下・使用温度184℃以下の範囲で使います。背圧は一次側圧力の50%以下(最小差圧0.03MPa)です。
- 取付方向は、ドレンの流れ方向と本体の矢印の方向を合わせます。ドレンが自重で流れ込むよう、できるだけ低い位置に取り付けてください。取付姿勢は水平・垂直・横のいずれでも取り付けられます。
- トラップの入口側には、必ずストレーナを設けてください。網目は国土交通省仕様に基づき80メッシュが推奨されています。
- 蒸気主管に取り付ける場合は、主管と同径のセパレータ(ドレン溜り)を設けます。出口側の配管を立ち上げる場合は、出口側に逆止弁を付けます。
- トラップの本体は保温しないでください。
- 分解・点検は、蒸気圧力がないこと、表面温度が80℃以下に下がっていることを確認してから行います。分解中はハンドルを回さないでください。
- 交換手順(縁切り・圧抜き・取り外し・試運転)は「スチームトラップの交換方法と取り付け手順」で図解しています。
よくある質問
Q. ATB5-G-25Aの面間は何mmですか?
A. L=130mmです。15A・20Aも同じ130mmです。
Q. 過熱蒸気のラインに使えますか?
A. 使えません。ATB5-Gの適用流体は飽和蒸気です。
Q. 取り付けた直後、ハンドルはどの位置にしますか?
A. 出荷時はSTOP(閉止)位置です。最初の通気時はBY-PASSにして管内のゴミ・スケールをブローし、その後TRAPに切り替えて通常運転を始めます。
Q. 縦配管に取り付けられますか?
A. 取付姿勢は水平・垂直・横のいずれでも取り付けられます。ドレンの流れ方向と本体の矢印を合わせてください。
Q. 在庫や納期、まとめて購入する場合の見積もりは?
A. お電話(0545-61-5948)またはお問い合わせ・お見積もりフォームから、型番・サイズ・数量をお知らせください。
この記事で紹介した商品
- ベン ATB5-G-15A(バイパス付・ねじ込み形・面間130mm)
- ベン ATB5-G-20A(バイパス付・ねじ込み形・面間130mm)
- ベン ATB5-G-25A(バイパス付・ねじ込み形・面間130mm)
トラップの入口側に付けるストレーナには、ヨシタケのY形ストレーナ SY-5 などがあります。
今お使いのスチームトラップの銘板(型式・呼び径が書かれたプレート)の写真をお送りいただければ、交換品の選定をお手伝いします。お問い合わせ・お見積もりフォーム、またはお電話(0545-61-5948)でお気軽にご相談ください。
読んだあとは、商品選びへ。
呼び径・接続方式・流体・圧力・温度をご確認ください。交換品や仕様に迷ったら、お問い合わせください。

